■膨らみ続ける欲望

 ではなぜ、FIFAは、というよりインファンティーノ会長はこんな無茶な計画を強行しようとしているのか。それは言うまでもなく「カネ」である。

「32チームのFCWC」が正式決定した2月のカウンシルで、FIFAは、2019年から2022年にかけての4年間で76億米ドル(1ドル=約135円として1兆26億円)もの収益を得たと発表した。そして次の4年間(2023~2026)では、それは110億ドル(約1兆4850億円)になるだろうとしている。

 だが、サッカーの世界でFIFAがまったくかなわない相手がいる。欧州サッカー連盟(UEFA)だ。世界中からスターを集める「5大リーグ」をもち、4年にいちどの欧州選手権(EURO)だけでなく、最大のドル箱であるシーズンごとのUEFAチャンピオンズリーグ(ECL)で世界中から巨額の放映権収入を得ているUEFAの4年間(2017/18シーズン~2020/21シーズン)の収益を見ると、なんと154億ユーロ(1ユーロ=約145円として2兆2330億円)にものぼるのだ。FIFAの倍である。

 世界のサッカーをリードし、主導権を握りたいFIFAとしては、UEFAに圧倒され、さまざまなことでUEFAの意向を確認しなければならない事態にがまんができない。しかしFIFAには、ワールドカップ以外にテレビ放送やスポンサーから大金をかき集められる「コンテンツ」がない。女子ワールドカップがようやくカネを稼げるようになったが、FIFAが主催している年代別の世界大会はすべて「持ち出し」の形だからだ。

 そこで目をつけたのが、クラブ版のワールドカップ、すなわち「FCWC」だった。

  1. 1
  2. 2
  3. 3