2月18日、2023年シーズンのJ2が開幕した。今季、J1昇格をかけて戦うジュビロ磐田はファジアーノ岡山をホームに迎えて対戦した。
この試合はまさかの展開になった。今季からチームを指揮する前日本代表コーチの横内昭展監督の元でチーム作りを進めてきたものの、前半26分に失点すると後半9分までに3失点。89分まで3点のリードを許した状態となってしまったのだ。
そのチームに光明を与えたのが後藤啓介だ。後半19分にピッチに送り込まれたこのFWは、なんと、17歳。現役の高校2年生なのである。昨年からトップチームに登録された逸材は、横内監督に抜擢されりゃ1万人以上が駆け付けたホーム開幕戦で衝撃を放つ。
89分、左サイドからのグラウンダーのクロスをニアで合わせて1点を返す。これが今季のジュビロのリーグ初得点であり、そして、後藤にとってのプロ初得点だ。
さらに後半アディショナルタイムにも追加点を奪う。遠藤保仁が左サイドから送ったゴールに向かって巻くようなボールに頭で合わせ、高い打点から再びゴールネットを揺らしたのだ。
試合は2-3で敗れたものの、多くのサポーターの前で最後まであきらめないチームの姿勢と、そして、若き才能の片りんを見せつけたのだった。