■霧の中で戦うコツ
「霧の都」と言えば、ロンドンとともに有名なのがアメリカのサンフランシスコである。ミルクのような濃霧に埋もれ、先端部だけ出したゴールデンゲート・ブリッジの写真を見た人も多いのではないか。この町で、1980年にその名もずばり「サンフランシスコ・フォッグ」というプロクラブが生まれた。といっても、「メジャー・インドア・サッカーリーグ(MISL)」というアイスホッケーのリンクを使った6人制サッカーのチームで、クラブわずか1年しか続かず、「雲散霧消」してしまったが…。
アメリカ人と思しき人が運営している「Boot Soccer」というサイトに、「霧のなかでサッカーをするヒントとコツ」という記事がある。それによると、ユニホームは明るく、コントラストの強いものにすること、プレーのスピードを落としてボールや他の選手が出す声や音などを聞くこと、チームメートとの距離を近くに保つこと、水分を多くとることなどが重要だという。
しかし視界が本当に悪いときには、思いがけない事故やケガにつながるのでサッカーはやめることとされている。何よりも奨めたいのは、室内でサッカーができる施設を探すこと―。それができれば、苦労はしないのだが…。
そういえば、日本代表が昨年9月にアメリカ、エクアドルと対戦したデュッセルドルフの「エスプリ・アレーナ」は開閉式の屋根をもっていた。雨や雪への対策かと思ったが、ライン川から数百メートルしか離れていないスタジアムであるため、川霧対策の意味もあるのだろうか。もし2020年のメキシコ戦がデュッセルドルフで行われていたら、あの「霧害」はなかったかもしれない。そして日本代表の集中力も切れず、違った結果になっていたかも…。