■接点のない2人のコーチ
長年、共に戦ってきた横内と違って、森保監督と名波コーチ、前田コーチの間にはそうした接点がない。
前田はジュビロ磐田のU-18で監督経験があるだけで、指導者としての経験は少ない。
名波は2014年のシーズン途中にJ2にいた古巣ジュビロ磐田の監督に就任し、翌年には磐田を昇格させ、2017年にはJ1リーグ6位に導いたものの、2019年シーズンにはチーム低迷の責任を取って辞任。2021年にはシーズン途中にJ2の松本山雅FCの監督に就任したがJ3降格を経験。2022年にはJ2復帰に失敗して監督を辞任した。
残念ながら、監督として成功したとは言い難い。
果たして、森保監督と名波コーチ、前田コーチの関係がうまく機能するのか……。それが、これからの日本代表の行方に大きな影響を与えることになる。
森保監督がなぜこれまで接点がなく、またおそらく考え方にも違いがあるであろう名波、前田両コーチを起用したのか? 森保監督の気持ちを忖度するに、それは考えに違いがあるからこそのコーチ就任要請だったのではないか。
考え方を理解しあっている横内コーチとの二人三脚でカタール・ワールドカップで“成功”を収めたものの、森保監督はワールドカップでの戦い自体には満足はしていなかったのだろう。ドイツやスペインに対してカウンターからゴールを決めて逆転勝ちはしたものの、目指していた「ボールを動かして主導権を握るサッカー」はできなかった。