J2のヴァンフォーレ甲府は11日、今季初の公式戦となるFUJIFILM SUPER CUPに挑む。試合前日の10日には“吉兆”となるありがたい応援が届けられた。
甲府は昨季、天皇杯で見事な快進撃を披露。3回戦の北海道コンサドーレ札幌戦から始まり、サガン鳥栖、アビスパ福岡、鹿島アントラーズ、そして決勝ではサンフレッチェ広島と、J1クラブ相手の連破を重ねて天皇杯初優勝を果たした。
「王者の威厳か? ジャイキリか?」。甲府とJ1王者の横浜F・マリノスが対戦する11日のスーパーカップに向けて、Jリーグは公式ホームページではそうあおっている。
確かに甲府が勝ったらジャイアントキリングと言われるのかもしれない。だが、ピッチに立てば同じ11人対11人のぶつかり合いだ。カテゴリーの違いが勝敗を決するわけではなく、最後に残った結果だけが真実である。
しかも、甲府には力強い“アドバンテージ”がある。九州から送られてくる霊験あらたかなエールだ。
「ヴァンフォーレ甲府の皆さん、春季キャンプありがとうございました! 2月11日、スーパーカップ勝利を目指して頑張ってください!」「祈願をさせていただきます」。動画の中でそう声を上げる2人は、甲府のユニフォームを身にまとっている。10日に宮崎県の綾町ふるさと納税係のツイッター公式アカウントで投稿された動画の一コマだ。
綾町とヴァンフォーレの間には、強いつながりがある。昨シーズンに続き、今年も1月27日から同町でキャンプに入り、今月3日に打ち上げたばかりだ。
それだけではない。昨年10月14日には、甲府の勝利を願って滝行を行い、エールを送ったのだ。その2日後、甲府はPK戦の末に広島を下し、第102回天皇杯の覇者となった。
前回は11月で、今月は2月。動画の中では陽光が降り注いでいるが、厳しい寒さであることは想像にかたくない。
男性の様子からも滝行のすさまじさが伝わってくる。最初は手を合わせて「エイーーー!!!」、次いで力こぶをつくった両腕を横に掲げて「エイーーヤアー!!!」。最後は「ウオーーー!!!」と言葉にならない叫びがほとばしっていた。