2月11日、富士フイルム・スーパーカップが国立競技場で行われ、昨季J1王者の横浜F・マリノスと天皇杯王者のヴァンフォーレ甲府が対戦した。
王者の威厳か、それとも、ジャイキリか――こう謳われたこの試合は、前半を1-1で折り返した。前半30分にエウベルの得点で横浜FMが王者の威厳を示したものの、前半終了間際にピーター・ウタカの得点で甲府がジャイキリへの道をつないだのだ。
後半15分、甲府が最初の交代カードを切る。ルーキー水野颯太を下げて25歳のブラジル人FWジェトゥリオを投入。逆転のために先に動いた。
その直後のことだった。横浜FMが交代による勢いに乗らせないための攻めの姿勢を見せる。この日、4バックの左CBに入った角田涼太朗がボールを持つと自らドリブル。相手選手2人を引き付けながら自陣からハーフウェーラインを超える。
そして、味方選手すらも追い越しながら、さらに推進。ここで甲府の選手がさらに一人寄って来るや、その股を抜く形で裏のスペースにスルーパスを送ったのだ。これに反応したのがセンターフォワードに入ったアンデルソン・ロペスで、このパスをダイレクトで左足一閃。ゴール左から放たれた強烈なシュートはゴールポストを叩くが、そこに詰めた西村拓真がダレクトで押し込んだのだ。
結果から言えば、これが決勝ゴールに。咆哮する西村やアンデルセン・ロペスの喜びも当然だが、その前のあった角田の好プレーがあればこその得点だった。