■車屋紳太郎とのコミュニケーション
車屋紳太郎は、谷口彰悟が抜けた今季の最終ラインでさらに責任感が増す。同時に、上福元との連携はこのチームの成績に直結する存在でもある。
そんな車屋について、上福元が感じたのは向上心だった。
「一番最初のゴルフなのに、どうしたらうまくなるのかってことを考えてましたし、そういう能力が高いんだなって見てて思いました。僕だったら(初めてのときは)“こんな飛ばせないだろうな”とか、“初めてのラウンドでいきなりうまくはできないよな”って、そういう気持ちになっちゃいそうなところを、(車屋は)そうではなかったので。見て学ぶ努力とか、瞬時に自分の状況を感じたりとか、整理するのが上手なタイプなんだなと思いました」
この言葉から感じるのは、上福元がチームメイトをより早く理解しようとしていることだ。コミュニケーションを取るだけでなく、自ら周囲の理解を早めようと渇望しているのである。
その車屋は、ピッチ内での上福元に対して「カミ君もすごく足元が得意な選手なので、裏のケアも含めて助かってます」と話し、ゴルフに行った際のことを「僕が初心者でカミくんが教えてくれて。カミ君はすごく上手で、僕がすごく迷惑をかけて(笑)。僕はずっと走りまわってたんですけど(笑)」と語り、すでにいい関係であることを感じさせる。
背番号99の声が等々力のピッチに響き渡り、そして、車屋ら最終ラインとの新しい守り方を見せることができるか、上福元の新たな挑戦が幕を上げる。
【かみふくもと・なおと】
1989年11月17日、千葉県千葉市生まれ。182cm/76kg。
京都サンガF.C.から完全移籍。