シーズン開幕を前にして、Jリーグは現在、マスコット総選挙を行っている。頂点を目指して熾烈な争いが繰り広げられているのだ。
今年はいつも以上に各クラブとも力がこもる。というのも、今回が最後の開催となるからだ。
昨年は、前年優勝のヴィヴィくん(V・ファーレン長崎)を抑えて、マリノス君(横浜F・マリノス)が初の頂点に輝いた。チームもJ1を制しており、ダブルでの日本一となった。
3位だったグランパスくんは2019年に連覇を果たしており、5年連続でトップ3入りと実力を見せつけていた。メダルには手が届かなかったものの、ニータン(大分トリニータ)も3年連続で4位につけており、上位陣の競争は激しい。
競争が熾烈なのは上位だけではない。いわば、“裏天王山”。トップ3ならぬボトム3からの脱出も、当事者にとってはトップとは違う重圧が肩にのしかかるのだ。
54体のマスコットが参加した昨年の総選挙で、最下位は福嶋火之介(福島ユナイテッド)だった。参加2年目ということで、まだ知名度が足りなかったのかもしれない。前年2021年には、J3で戦うY.S.C.C.のハマピィが、初出場で最下位の55位に沈んでいた。誰もが、頂点の輝きの分だけ濃さを増す不名誉の影からは抜け出したいと思っている。
その脱出劇で、危険な位置に置かれているマスコットがいる。今季からJ2を戦う藤枝MYFCのマスコットだ。昨年はかろうじて最下位を免れたものの、ブービーの54位。初参戦した2019年から4年連続で、ボトム3から抜け出たことがない。