日本サッカー史上初めてワールドカップ後も日本代表の指揮を執ることが決まった森保一監督。カタールで見せたその大胆な采配や選手への姿勢は、サッカーファンのみならず大きな注目を集めた。
新しい景色を見るべく挑んだ決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦で敗退後、涙を流す三笘薫を抱擁する姿はその代表的光景で、FIFAがその写真をSNSに投稿すると世界中から称賛の声が集まった。
そんな森保監督の寄り添う姿勢は、W杯という大舞台だからというわけではない。1月27日、AFCチャンピオンズリーグが公式ツイッターに2012年の森保監督を写した画像を投稿したのだが、その中にも、選手への愛が感じられる瞬間が収められていた。
「#ClubWC振り返り」と題されたその投稿に添付された画像は4枚ある。いずれも、2012年12月に行われたクラブワールドカップのサンフレッチェ広島を写したものだ。当時、森保監督は広島を率いて、世界を相手にこの大会に挑んでいた。
この写真での対戦相手は、ニュージーランドのオークランド・シティーFC。横浜国際総合競技場のピッチを舞台にして戦った。森保監督を写しているのはその一枚目にあるもので、試合前の公式会見に挑んだ際のものだ。
指揮官は、当時、日本代表としてキャップ数31を数えていたエースストライカーの佐藤寿人氏の隣に座っているのだが、佐藤氏は翻訳のためのイヤホンをうまく耳につけることができなかったのか、森保監督が手を差し伸べてつけてあげようとしているのだ。写真には指揮官の優しさが表れており、カタールで見せた姿のルーツをそこに感じることができる。
この写真には、「寿人とポイチのイチャつき」といった声も上がったが、それ以上に「ポイチ安定の父親感」といったコメントが似合うだろう。その父性こそが、選手から慕われる要因の一つだ。