■FIFAランキングでも上昇
迎えたワールドカップでは、こうした戦術的な準備とともに、フル代表とオリンピック代表の監督を兼任し、数十人の選手を「1チーム2カテゴリー」として動かしてきた選手層の厚さが日本の快進撃を支えた。ケガからの回復が十分でなかった選手、体調不良の選手などが続出してもチーム力が落ちず、チームをほぼフルに使いきって戦うことができたのは、日本代表史上画期的なことだった。
森保監督下、2022年12月までの「4年半」の総試合数は62。結果は、41勝10分け11敗、総得点132、総失点43という非常にいいものだった。このなかには、「国内組」だけで戦った東アジアの「E1選手権」(2大会、6試合)と、ほぼオリンピック世代だったコパ・アメリカの3試合が、実質的には「A代表」ではなかったが、その9試合を除いた成績も53試合、37勝7分け9敗、総得点113、総失点34である。
チームを引き継いだとき55位(この時期にランキングのポイント算定方法が変わり、ベルギー戦前日に41位だった順位から大幅に下降した)のFIFAランキングは、カタール大会を経て20位にまで上がった。こうした数字を見るだけでも、森保監督の再契約は当然と言える。