4年に一度の祭典が終わり、年も明けたが、早くも次のワールドカップに向けての動きは始まっている。日本代表は引き続き森保一監督に率いられることが決まり、2026年大会で新しい景色を見ることを目指す。その目標を今度こそ達成するためには、何が必要なのか。サッカージャーナリスト・大住良之が森保ジャパンの4年半の歩みを振り返りながら、次の3年半を考察する。
■不安が募った最終予選
2021年、国際試合が再開されると、2次予選の残り試合をこなしつつ、9月からの最終予選に備えた。
そして1年遅れで開催された東京オリンピックでは、吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航という「オーバーエージ」の3人で強化された守備を土台に攻撃では堂安律と久保建英が躍動、グループリーグを3連勝で突破した。しかし中2日での連戦をほぼ固定メンバーで戦ったことで消耗が激しく、準々決勝のニュージーランド戦で失速、ここはPK戦で突破したものの、準決勝ではスペインに延長戦の末敗れた。このときの経験が、ワールドカップでの思い切った選手起用、ターンオーバーや交代選手の使い方に生きた。
そしてワールドカップ最終予選がスタート。ここで森保監督を苦しめたのが、欧州からアジアの舞台に戻ってくる選手たちのコンディションの問題だった。9月、10月、11月と毎月2試合が行われたのだが、その初戦は全員がそろってからからのトレーニングが1回しかできない状況で、オマーンに敗戦、第3戦もサウジラビアに敗れて3試合が終わった時点で1勝2敗というかつてない苦境に立たされたのだ。
ドイツからJリーグ(ヴィッセル神戸)に戻ったばかりの大迫も、エース格となっていた南野も得点感覚を失っており、満足にシュートにももっていけない状況。吉田を中心とした守備は安定していたのだが、得点力不足は目を覆わんばかりで、前途多難を思わせた。