■コロナ禍での努力

 2018年秋のその後の親善試合は好調だった。南野拓実中島翔哉といった新しい世代の選手たちがロシアで活躍した大迫勇也らとからんで活気あふれる攻撃を見せ、ファンを喜ばせた。しかし明けて2019年1月にUAEで開催されたアジアカップではフルメンバーを揃えることができず苦戦。準決勝のイラン戦で攻守に会心の試合を見せて決勝に進出したが、カタールに完敗してタイトルを逃した。

 この年はオリンピック世代を中心にしたチームで南米の「コパ・アメリカ」に挑戦するなど若手に経験を積ませる努力も払ったが、2020年が明けるとコロナ禍ですべての社会活動がストップし、その後も国をまたぐ移動が大きく制限されたままだったため、19年秋にスタートしたワールドカップ・アジア2次予選の残り4試合はすべて延期され、秋から始まる予定だった最終予選がいつできるのかも不透明な状況となってしまった。

 そうしたなか、欧州各国のコロナ防疫防方針が緩和されたことを利用し、JFAは欧州のクラブ所属選手だけで欧州を舞台に強化のための親善試合をすることを計画、2020年10月と11月にオランダとオーストリアで計4試合を実施した。丸1年間代表戦がなくて当然だった年に2回の活動で戦術を再確認し、チームをまとめることができたのは非常に大きかった。

(2)へ続く
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