■冷めなかったサッカー熱
――後藤さんのワールドカップで一番印象に残った場面は何ですか。
後藤「やはりドイツ戦かなあ。今年のドイツはたいしたことがないから勝てるよと言ってはいたけれど、始まってみたら前からプレスをかけてもかわされるし、日本はもっとできると思っていたけど、前半を見た時点ではこれほど差があるのか、と思ったよ」
――でも、その劣勢から始まったワールドカップで日本代表が躍進したおかげで、年末までサッカー熱が冷めませんでした。
大住「僕は決勝までカタールで取材していたので分からなかったけど、日本代表が負けた後も国内の熱は続いていたのかな」
後藤「僕はラウンド16が終わってから帰国したけど、帰ってきた時には日本代表の試合は過去の話になっていた感じだった。でも、決勝は見た人が多かったようだったし、さらに決勝が終わってからも、フランスの表情だとか、アルゼンチンではブエノスアイレスで代表チームがすごい歓迎を受けているとか、ニュースのたびに決勝を戦った両国の様子が映されていた。こんなにやるのか、日本が負けた後でもワールドカップを追ってくれるんだ、と思ったね」
大住「決勝がああいう試合になったから、というのもあるよね。アルゼンチンが2点リードしたまま終わっていたら、どうなったか分からない」
後藤「決勝のテレビ視聴率も、15%くらいだったらしいよ。日本の試合が終わってからもワールドカップを多くの人が見てくれたし、サッカーの面白さがよく分かる決勝になって良かったよ。日本代表で盛り上がったおかげだね」
大住「うまくつながったよね」