■日本とブラジルとの違い

 間違いなく、クロアチアはPKの準備に相当な時間をかけてきたはずだ。だからダリッチ監督は迷わず選手を指名し、選手によっては、おそらくけり方まで指示したのではないか。

 日本もブラジルも、PK戦を軽視したか、少なくともクロアチアほどには真剣に考えていなかったように思う。日本は他のことをこなすのに大わらわでPK戦まで手が回らず、ブラジルには、PK戦になるという想像さえ働かなかったのではないか。その結果、真剣に準備したチームとの間に、大きな「違い」ができてしまった。

 だが、PK戦で勝つには、その状況にもっていかなければならない。ブラジル戦のクロアチアは、日本にてこずったのと同じチームかと思うほど生き生きとしていた。日本戦から変わったのは2人だけ。グループリーグのF組で生き残るために3戦目のベルギー戦まで全力を尽くし、ラウンド16では日本を相手に120分間プレーしなければならなかったクロアチアは「へろへろ」のはずだったのに、意外だった。

  1. 1
  2. 2
  3. 3