■痛恨の選択ミス
というわけで、選択を迫られたのはラウンド16の1日目と2日目だった。
1日目はオランダ対アメリカか、アルゼンチン対オーストラリアかという選択だった。
アルゼンチン好きとしてはアルゼンチンの試合を見たかったのだが、アルゼンチンはグループステージですでに3回見ている。
一方、オランダの方はこの大会でまだ1回も見ていなかったのだ。そこで、僕は1日目はオランダの試合を選択した。
だが、どうも、この選択は失敗だったようだ。
オランダ自体は悪くなかった。両サイドを使ったワイドな攻撃は力強く、右ウィングバックのデンゼル・ダンフリースが1ゴール2アシストの活躍を見せた。
ところが、試合としてあまり面白くなかったのは、アメリカがあまり抵抗できなかったからだ。
アメリカは、ワールドカップのラウンド16に何度も勝ち上がったことのある中堅国だ。しかし、ベスト8に勝ち上がったのは2002年の日韓大会だけ。あとは、ラウンド16で敗退と、日本代表と同じような状況にある。
今大会のアメリカは、チェルシーのクリスチャン・プリシッチやACミランのセルジーニョ・デストなどヨーロッパの強豪クラブで活躍する選手も多く、かつての「ただただ真面目にプレーするだけ」というイメージからは打って変わって、イマジネーションも豊かでフィジカル能力も高いチームになっていた。それで、「オランダ相手にどれくらいできるだろうか」と期待していたのだが、ちょっとプレッシャーをかけられるとすぐにボールを後ろに戻してしまうヘタレな試合をしてオランダの楽勝を許してしまった。
これが、「ラウンド16の壁」というものなのだろうか。