■「虚しさがこみあげてくる瞬間もあった」
とはいえ、強い悔しさを当然、抱えている。今大会で「個人的に何も残せなかった」と振り返るシュミットは、試合が終わるたびに一人になると、「虚しさがこみあげてくる瞬間もあった」という。そして、「ということは悔しいということなんですけど、この悔しさを糧にして、次のW杯のピッチに立ちたいなという思いは強まった」と、決意を新たにする。
だからこそ、日本代表が目指す“新たな景色”へと意識は向いている。「結果だけを求めて戦った今大会だからこそ、ここまでこれた。ベスト16の壁を超えるには、サッカーのやり方を変えるかどうかは、まだ正解が分からない」とあくまでフラットに捉えつつも、「次のW杯までにいろんな国と対戦しながら、できるだけ早くスタイルを見つけるべき」と、話すのだ。
戦術的な進化が早い現代サッカーだけに、4年後はどうなっているか分からない。だからこそ、今のやり方だけでなく、時間をかけて最適解を探していくべきというのだ。
また、世界的なGKを間近に見たことで感じたこともあった。
「シュートストップとかに関しては、海外のGKもイージーなボールもけっこう(点を)奪われているなとは思った。そこにフォーカスすれば、海外のGKが美化されすぎている気がするんで。多分、そんな大きな差がないかなということも感じてて。(日本と世界の)その差は縮まってきているのかな」
自信は確信に変わりつつある。