カタール・ワールドカップに出場しているアメリカ代表は11月30日、SNSにひとつの動画を投稿した。選手の優しさが伝わる動画は、すでに17万回以上も再生されている。
アメリカ代表は、若いが才能を秘めたチームだ。20代前半の選手が多いが、22歳のセルジーニョ・デストはミラン、20歳のジョバンニ・レイナはボルシア・ドルトムントと、ヨーロッパの一流クラブに所属している。チェルシーで背番号10を与えられているクリスティアン・プリシッチもまだ24歳ながら、すでにキャップ数は50超えだ。
ポテンシャルを秘めたこのチームは、2大会ぶりの出場となったW杯でも着実に結果を残している。ウェールズとイングランド相手には引き分けたものの、現地時間29日のグループステージ最終戦では、イラン代表に1-0と勝利。今大会初勝利を挙げるとともに、決勝トーナメント進出を決めた。
代表チームの活躍は、スポーツ大国であるアメリカの人々に大きな喜びと勇気を与えたはず。加えて選手たちは、スタジアムに訪れたファンにさらなるプレゼントを贈った。
アメリカがイランと対戦しているスタジアムに、ひとりの少女がいた。アメリカ代表のユニフォームを着込み、手にした紙には「#8 マッケニー、どうかあなたのユニフォームをください」と書いてある。
アメリカが勝利したことで、少女の願いのうち1つはかなったはず。そして選手たちは、もうひとつの夢をかなえた。何と、おねだりされたウェストン・マッケニー本人が試合後のスタンドに現れ、ユニフォームを手渡したのだ。ユベントス所属のMFは両手を広げて少女を迎え、優しくハグをかわしている。