■19年前に出会った有望な若手
僕が初めてクリスティアーノ・ロナウドのプレーを(生で)目にして、またロナウドと話をしたのは今からもう19年前も前の2003年4月のことだった。
『サッカー批評』のポルトガル特集の取材に行ったのだ。リスボンのジョゼ・アルバラーデで行われたスポルティングCPのホームゲーム。相手はヴィトリア・ギマラエス。
将来有望な若手と聞いて期待していたロナウドはベンチスタートだったが、68分にようやく登場。プレー時間は少なかったが、左サイドでドリブルでしかけ、そして遠目から積極的にシュートを放ってその片鱗を見せてくれた。
ちなみに、右サイドにはこれも長く活躍することになるリカルド・クアレスマがプレーしていた。
その後、僕はスポルティングの育成の現場を取材するためにスポルティングのトレーニング・センター「アカデミア」のクラブハウスを訪ねた。首都リスボンからテージョ河にかかるヴァスコ・ダ・ガマ橋を渡った対岸、アルコシェテにある真新しい施設だった。
施設を見学させてもらってから、広報の女性に若手の選手に話を聞きたいとお願いした。僕としては、アカデミアで練習しているユース年代の選手の話が聞ければと思っていたのだ。
そうしたら、広報担当者はなんとクリスティアーノ・ロナウドとクアレスマを連れてきたのだ。
こうして、突然、大物新人たちの予期せぬインタビューが始まった。