「無視してやってきてよかった」カタールワールドカップ初戦のドイツ戦で逆転ゴールを決めた浅野拓磨が抱えていた批判への反骨精神! 「僕がこういう日を迎えるとはここにいるメディアさんも何人が思ってくれたか」の画像
サッカー日本代表FW浅野拓磨 撮影:中地拓也

■11月23日/カタールW杯 グループE第1戦 日本代表2ー1ドイツ代表(ハリファ国際スタジアム)

 世界を驚かせたサッカー日本代表。その大金星をもたらしたのが浅野拓磨だ。1-1で迎えた後半38分、板倉滉からのボールを受けると、ロングボールを前向きでトラップすると、そのままスピードに乗ってドリブル。シュロッターベックが後ろから追いかける状態にもかかわらず、GKノイアーが守るゴールネットを揺らして見せたのだ。

 この得点が決勝点となり、日本は勝利した。殊勲ゴールを決めた浅野は、「今まで準備してきたことができた」と納得の表情を見せ、次のように続けた。

「今日の試合だけに関してはヒーローになれたかなと、僕自身思います。4年前から1日も欠かさずこういう日を想像して準備してこれたので結果につながった」

 とはいえ、その4年間は平たんではなかった。前回大会はサポートメンバーとしてチームに帯同し、途中でチームから離脱する悔しい思いをした。その後、代表に定着したものの、多くの批判を受けてきた。

 だからこそ、「結果が出た時だけ持ち上げるだけ持ち上げてくれたらいいなと思う」と、あくまでも冷静に話す。そして、「僕はこの4年間、そうじゃないとき(=持ち上げられることとは逆)のほうが多くて、みんなは今日のことを奇跡と呼ぶかもしれませんけど、僕がこういう日を迎えるとはここにいるメディアさんも何人が思ってくれたかというのが正直な気持ち」と、率直に言葉をつなげた。自身の中で高まっていた反骨精神が、ストライカーの心を高ぶらせていたのだ。

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