■Jクラブのホームスタジアムへ
ヴァンフォーレは1999年にスタートしたJ2に加盟、大きな困難はあったものの、それを克服するとどんどん順位を伸ばし、J1の座もうかがえるようになった。そして山梨県は「J1基準」の1万5000席のスタジアムとするべく、2005年に再度改修工事を行い、両ゴール裏の芝生席を解体して新スタンドを建設、バックスタンドの増設も行った。この工事完了を待つように、2006年3月、ヴァンフォーレはJ1昇格デビューを飾った。
2006年3月4日、晴れ、気温12.9度。ヴァンフォーレのファン・サポーターだけでなく全山梨県のサッカーファンの期待を集め、小瀬競技場には1万4277人のファンがつめかけた。J1第1節の相手は清水エスパルス。0-2の敗戦だったが、ヴァンフォーレは持ち前の攻撃的なサッカーで相手を上回る11本のシュートを放ち、スタンドを沸かせ続けた。
「ヴァンフォーレ」とは、武田信玄の「風林火山」の旗印から生まれた愛称で、「風と林」を意味している。この時期、甲府盆地には冷たい風が吹くことが多いのだが、この日は無風だった。もしかしたら、それが敗因だったかもしれない。
山梨県は2009年には陸上競技場用のトラックの改修工事を行い、さらに従来の「電光掲示板」に代えて大型映像装置(フルカラー)を設置するなど、その後も改修を重ね、ことしは照明設備のリニューアルに向けた入札を行っている。しかし基本的に1980年代の国体開催のための陸上競技場であることに変わりはない。