■台風の目になり得るFC東京

 そして、2022年シーズンに6位に入ったFC東京は来シーズンの台風の目となる可能性がある。

 FC東京は今シーズンからアルベル・プッチ監督が就任して、ポゼッション・サッカーを構築すべく戦ってきた。

 だが、FC東京は昨シーズンまでは長谷川健太監督の下で堅守速攻型で戦ってきたチームだった。そして、新戦力となったのは高校出の新人の松木玖生ただ一人で、昨シーズンまでの選手をほとんど入れ替えることなく新しいスタイルに切り替えていくという難しい作業が続いてきた。

 その結果、新スタイルがなかなか定着せず、安定感を欠いた。

 最終節では、同じくポゼッション・サッカーを志向する川崎相手に完成度の違いを見せつけられてしまった。

 しかし、そんな状態であるにも関わらず、最終的に6位という順位を確保して見せたのだから、アルベル監督は現実主義者としてもマネジメント能力を見せたと言える。新スタイルの完成を優先しながらも、しっかり勝点が取れる試合では現実的に勝点を取りながら戦ってきたのである。

 新監督の2シーズン目となる新シーズンには完成度も上がるはず。ポゼッション・スタイルのプレーに相応しい選手がうまく補強できれば、一気に強化が進む可能性を秘めているのではないだろうか。

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