■神戸の反撃
そうして川崎の攻撃が鈍ってくると、1点をリードされた相手は当然のように反撃を開始するので、互角の打ち合いという展開に変わってしまう。
神戸戦でも、マルシーニョが先制ゴールを決めた直後から、それまでほとんど攻撃の型を作れていなかった神戸にチャンスが生まれ始めた。
23分にはGK鄭成龍(チョン・ソンリョン)のキックが、直接神戸のウィンガー汰木康也に渡ってしまい、中央でパスを受けた大迫勇也がタメを作って、ダイアゴナルに走り込んできた山口蛍を使ってビッグチャンスを作った。
そして、これをきっかけに神戸は川崎と互角の打ち合いを演じ始めた。
ハーフタイムを挟んで、神戸はさらに攻撃の圧力を強めてきたが、それに対して川崎は受けに入ってしまう。そして、51分に正面のFKを小林祐が決めて神戸が同点に追いついたのだ。
同点とされた鬼木監督は、相次いで大島や知念慶を投入。小林、知念のツートップ(4-4-2)に変更して攻撃力を高める。選手層の厚さは、たしかに川崎の大きな強みだ。そして、リードされても、また同点にされても、最後まで諦めずに勝利を目指す粘り強さも川崎らしいところだ。