■山形は「勝たなければいけない試合」を経験していた

 ピーター・クラモフスキー監督率いる山形にとって、「勝たなければいけない」試合は岡山戦が初めてではなかった。残り2試合の時点でプレーオフ圏外の8位だった彼らは、41節の大分トリニータ戦、最終節の徳島ヴォルティス戦に勝利し、このプレーオフ1回戦に辿り着いている。岡山戦を前にした取材で、クラモフスキー監督はこう話していた。

「自分たちはいつもと同じ意識、同じアプローチで戦っていきたい。いまは流れをつかめている。アウェイで大分を倒すこともできた。前節の徳島戦は、ホームで特別な試合を戦い切ることができた。どちらも勝たなければいけない試合だった。それは次の岡山戦も変わらない」

 0対1のまま終盤を迎えていたら、試合は分からなかっただろう。岡山はFWミッチェル・デューク、両CBのヨルディ・バイスと柳育崇らの長身選手を揃え、DF徳元悠平がロングスローを投げる。1点差なら何かを起こせた可能性はあっただけに、試合後の木山隆之監督は「2点目が痛かった」と話した。ほんの一瞬の「間」が「魔」となり、岡山は痛恨の2点目を喫してしまったのだった。

 最終的には3対0とした山形が、11月6日の2回戦へ進出した。今度もまた勝たなければいけない試合となるが、彼らにとっては4度目だ。条件を不利に感じることはないだろう。

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