今回のtotoではJ1第33節の9試合とJ3第31節の4試合が対象となっている。過去のデータや直近の様子などから、分析を進めてみよう。
今節にも、J1の優勝が決まる可能性がある。一方で、最終節での逆転Vの布石になる可能性もある。一騎打ちとなっている首位の横浜F・マリノスと2位の川崎フロンターレにとって、神経をすり減らすようなゲームになるだろう。
両チームの勝点差は、わずかに「2」。今節にもひっくり返る可能性があるが、優勝争いは最終節に持ち込まれるとみる。ただし、見逃してはいけない「危険要素」もあるのだ。
まずは、横浜FMから見ていこう。ホームに迎えるのは、8位の浦和レッズだ。このカードは通算で横浜FMから見て37勝9分28敗と拮抗しているのだが、その割には引き分けが少ない。
ただし、気をつけたいのが今季の浦和の成績だ。ここまでのリーグ戦32試合で10勝14分8敗と、J1チームで最もドローが多い。引き分けの割合は、44パーセントにも上るのだ。
一時期の7試合連続ドローのような状態からは抜け出たが、直近4試合のうち2試合で引き分けている。横浜FMがドローに引きずり込まれる可能性も捨てられないのである。
追う川崎にも、不安な要素がある。等々力に乗り込んでくるヴィッセル神戸の勢いだ。
序盤からつまずき一時は降格圏に沈んでいた神戸だが、昨季3位と本来ならば残留争いをするようなチームではなかった。実力を証明するように、ここ5試合で連勝を飾り、J2降格の可能性は消えている。
神戸の5連勝には残留争い中の湘南ベルマーレとガンバ大阪、戦いぶりが不安定なFC東京、ターンオーバーを施したサンフレッチェ広島との試合が含まれてはいた。だが、実力ある選手たちが勝ち方を思い出したのは事実で、残留争いの重圧からも解放され、本来の力を出す可能性は高い。
翻って川崎には、逆転優勝へ「勝たねばならない」という焦りがある。また、首位の横浜FMには追われるプレッシャーがある。不穏な要素を持つ2つの刺客によって、優勝争いがかき回される危険性が非常に高いことを忘れてはいけない。