■カリャリにやってきた傲岸なGK

 このシーズンもリーバは攻撃を牽引し、28試合に出場して21ゴールを記録、セリエAの得点王となった。しかしカリャリの優勝を支えたのは、何と言ってもGKエンリコ・アルベルトーシだった。

 1939年11月2日生まれ、このシーズンは29歳から30歳になるころで、キャリアの絶頂期だった。ジャンプ力などフィジカルの強さを誇り、反射神経も抜群。まさにGKになるために生まれてきたような男だったが、周囲をはばからぬ言動でも知られていた。トスカーナ地方で生まれ、洗練されたフィオレンティーナで長くプレーしてきた彼は、1968年、新聞記者からカリャリが彼を欲しがっていると聞かされると、こう言ったという。

 「オイオイ、そこは流刑島じゃないのか?」

 また、GKというものに関して、こんなコメントも残している。

 「神はGKが批判されることを禁じておられる。ゴールキーパーが過ちを冒すことはない。失点をして非難されるべきは、どんなときにも、他の選手たちだ」

(3)へ続く
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