■スタイルを作り上げた新潟

 さて、今シーズンのJ2リーグは開幕直後から新潟と横浜FCの首位争いが続いた。この両チームが図抜けた存在だったことは間違いない。

 敗れはしたものの、第41節の東京V戦も新潟はそのスタイルを存分に発揮していた。

 新潟は、アルベルト・プッチ・オルトネダ前監督(現、FC東京監督。東京での登録名はアルベル)が作り上げ、松橋力蔵現監督がそれをうまく継承した典型的なポゼッション志向のサッカーだ。

 今シーズンの途中でエースの本間至恩がベルギーのクラブ・ブルッヘに移籍(セカンドチームのNXTでプレー)。さらに9月には高木善朗が右ひざの前十字靱帯損傷の重傷を負ったことで決定力という意味では影響を受けたものの、ポゼッション・スタイルは揺るぎない。

 けっして前に急がずに正確に蹴って止めるを繰り返し、相手の守備網に穴を見つけると一気にスピードアップ。そして、攻撃が滞ったら、躊躇なく自陣まで戻してやり直す……。その繰り返し。ちょうど、風間八宏監督の下で強化が進んできたころの川崎を彷彿させるようなサッカーだ。

(2)へ続く
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