先週末の日本サッカー界では、番狂わせが頻発した。いずれもJ2クラブが起こしたものだったが、そのアップセットにはJリーグ全体のレベルアップが示されている。サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■世紀の大番狂わせを起こした甲府
J2リーグ18位のヴァンフォーレ甲府がJ1リーグ3位のサンフレッチェ広島を破るという超級の「下剋上」が起こった天皇杯全日本選手権大会決勝。「J2チームの優勝は2011年のFC東京以来」だそうだが、2011年のFC東京はJ2リーグで優勝して昇格を決めている。
その点、J2リーグでも低迷している甲府の優勝はまさに“世紀の大番狂わせ”と言っていい。
天皇杯決勝が行われたため、この週末J1は試合がなかったが、J2リーグは第41節が一斉に行われ(FC町田ゼルビア対甲府戦は延期)、アルビレックス新潟の優勝と横浜FCの2位が決定。両チームのJ1昇格が確定した。
しかし、J2リーグでもこの週末はアップセットが続出した。
まず、10月15日の土曜日にはJ2リーグ優勝に王手をかけていた新潟が東京ヴェルディに敗れて優勝は持ち越しとなった。優勝決定の場面を見届けようと味の素スタジアムには約7000人と言われる新潟サポーターが詰めかけたのだが、歓喜の瞬間は訪れることがなかった。