■ペレから続くスターの系譜

 ワールドカップの爆発的な人気とともにサッカーが国際化、世界化したのは、テレビでワールドカップの生中継が始まった1960年代以降のこと。その時代の世界のスーパースターは、もちろんペレ(ブラジル)だった。

 サッカーの普及度、熱狂度だけでなく、国の規模としても「大国」にはいるブラジルから、世界ナンバーワンプレーヤーが誕生するのは不思議なことではない。ブラジルはその後もロナウドやネイマールなど、世界的なスターを継続的に輩出し、ペレ以来の活躍に引っぱられてワールドカップ優勝5回という偉業を成し遂げている。

 しかしブラジル以外で見ると、その後の世界のサッカーをリードする選手を輩出してきたのは、ドイツ(西ドイツ)、フランス、アルゼンチン、ポーランド、ポルトガルといった人口数千万人の国々だった。ドイツはフランツ・ベッケンバウアーやゲルト・ミュラーを生み、フランスはミシェル・プラティニ、アルゼンチンはディエゴ・マラドーナリオネル・メッシを、ポーランドはロベルト・レバンドフスキを、そしてポルトガルはクリスティアーノ・ロナウドを生んだ。人口1800万人のオランダからは、ヨハン・クライフという、ペレ、マラドーナと並ぶ天才が出現している。

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