アイントラハト・フランクフルト所属のMFマリオ・ゲッツェは、かつて「神童」として知られた。三十路に入ってはいるが、いまも錆びつかぬ技術で、ファンを驚かせている。
ゲッツェは幼少の頃からボルシア・ドルトムントで育ち、期待のままにトップチームへ昇格。17歳でプロデビューを果たすと、翌2010-11シーズンにはリーグ戦で33試合に出場して6ゴールを挙げるなど、18歳ながらチームのブンデスリーガ制覇に大きく貢献した。2014年にはドイツ代表としてワールドカップ・ブラジル大会に出場し、ファイナルの舞台では交代出場から延長戦で決勝点を挙げ、母国を世界の頂点へと導いている。
そうした華やかな経歴を持つゲッツェだが、キャリアは美しい時間ばかりではなかった。2014年には、ボルシア・ドルトムントの宿敵であるバイエルン・ミュンヘンへと移籍。バイエルン州出身のゲッツェではあったが、ドルトムントのファンからは「裏切り」ととらえられ、激しい反感を買った。バイエルンではプレーについて批判も受け、2016年にはボルシア・ドルトムントへ復帰。今度は新たなる神童、アーリング・ハーランドの加入で出場機会を減らし、オランダのPSVへと自身初の国外移籍を選ぶこととなった。
ゲッツェは今シーズンからドイツに戻り、フランクフルトでプレーしている。開幕戦では古巣のバイエルン相手にフル出場。ブンデスリーガではここまでリーグ戦全試合に出場しているが、4日のチャンピオンズリーグでのトッテナム戦ではメンバーに入らなかった。
それでも、ゲッツェは元気な姿を披露している。今年6月には30歳になったが、フランクフルトがインスタグラムの公式アカウントで公開した動画では、変わらぬ高い技術を見せているのだ。