【女子サッカー考察】リーグカップ決勝で見えた東京ヴェルディベレーザと浦和レッズレディースの強みと課題【WEリーグの新シーズンに必要なもの】(1)の画像
リーグカップ決勝では浦和とベレーザが激突した 写真:西村尚己/アフロスポーツ

 WEリーグの新シーズンが始まる。リーグ戦開幕に先駆けて、すでにリーグカップも決勝までが行われた。WEリーグ創立から1年が経った現在、見えてきた日本女子サッカーの現在地をサッカージャーナリスト・後藤健生がつづる。

■「3強」の2チームが激突

 10月1日の土曜日に、東京・味の素フィールド西が丘でWEリーグが今年から創設した新大会「WEリーグカップ」の決勝が行われ、三菱重工浦和レッズレディースがPK戦の末に日テレ・東京ヴェルディベレーザを破って優勝した。

 2021年の秋に始まったWEリーグ。秋春制の初年度(2021-22年シーズン)はINAC神戸レオネッサが圧倒的な強さで優勝を飾ったが、第1回WEリーグカップ決勝は昨年度リーグ戦2位の浦和と同3位のベレーザの顔合わせとなった。

 WEリーグ開幕前も含めて、ここ数年、この3チームが日本の女子サッカーで“3強”の地位を占めてきた。昨シーズンは皇后杯全日本女子選手権で浦和が優勝しており、昨シーズン無冠に終わったベレーザにとってはぜひともタイトルがほしいところだったはずだ。

 WEリーグカップは、加盟11チームを6チームと5チームの2グループに分け、両グループの首位チーム同士で決勝戦を戦う方式だった。

 6チームが参加したグループAでは浦和と長野パルセイロ・レディース、5チーム参加のグループBでもベレーザとI神戸が同勝点で並び、ともに直接対決では引き分けだったため、全試合の得失点差で上回った浦和とベレーザが決勝に進出した。

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