■リンセンがJ1初出場も勝利で飾れず

 どうにかゴールへの糸口を見つけたい浦和だったが後半17分に失点。CKの流れから森島にクロスを上げられ、ゴール前で荒木隼人に合わせられてしまってリードを広げられた。

 するとその直後にアウェイチームは3枚替えを実行。伊藤敦樹、松尾佑介、小泉佳穂を下げて柴戸海キャスパー・ユンカー、ブライアン・リンセンを投入した。リンセンはこれでJ1初出場となっている。

 7月23日に行われたパリ・サンジェルマン(PSG)戦以来の実践復帰となったリンセンのためにも勝利をつかみたい浦和。しかし、時間が経っても相手のハイプレスを攻略できない。自陣ペナルティエリア内にも数人を送り込んでくる積極的な守備をかいくぐれず、後半26分にはショートカウンターを食らって満田誠にゴールを許してしまい、スコアは0-3となる。

 それから間もなくして浦和は3バックにシステム変更。前線にはユンカー、リンセン、江坂を並べて流動的な攻撃で相手ゴールに迫っていく。

 すると後半31分、リンセンのシュートから得た右CKによって1点を返す。ショートコーナーを受けた大久保がクロスを上げると、エリア内でリンセンがバックヘッドでそらし、これに柴戸が頭で合わせて押し込んだ。

 残りは約15分。浦和にとってはこの勢いのまま立て続けに得点を奪いたいところだったが、再び突き放される。

 後半37分、自陣右ハーフスペースのゴールからおよそ30m離れた位置でFKを献上。距離的にも直接狙うことは考えにくいが、キッカーの満田に意表を突いたロングシュートを叩き込まれてしまい、この日4失点目を喫した。

 結局、最後までハイプレスを攻略できなかった浦和は1-4で敗北。ショートカウンターから2発、セットプレーから2発を叩き込まれ、これで公式戦5試合未勝利になった。

 直近のセレッソ大阪戦と同様に、序盤から相手のゲームプランに飲まれてしまい、それを最後までひっくり返せなかった今回の広島戦。リカルド監督が言っていたようにビルドアップ時に豊富な選択肢を持つことや、試合中の修正力は現状の課題といえる。リーグ戦は残り4試合。この360分間でできる限り弱みを克服し、チームとしての総合力を高めたい。

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