■最後まで得点を奪えず、準決勝敗退

 後半が始まり、勢いを持ってゴールを目指した浦和だったが、最初のチャンスをモノにされる。51分、自陣右サイドから山中亮輔にクロスを上げられると、エリア内で加藤陸次樹に頭で合わせられて失点。決勝進出はさらに難しくなってしまった。

 諦めずにゴールを目指すが、上げたクロスはことごとくGKキム・ジンヒョンにキャッチされてなかなか得点を奪えない。67分から投入されたキャスパー・ユンカーもチャンスを仕留められず、無得点のまま時計の針は進んでいく。

 80分には後方でのパス回しをジェアン・パトリッキに奪われ、そのままゴール前まで運ばれて4失点目を喫した。

 絶望的な状況になっても浦和は攻め続ける。ラスト30mに向かって、とにかく早く人とボールを送り込み、奪われても即時奪回を実行。自分たちのターンを保とうとする。

 それでも、ゴール前での最後のパスが噛み合わなかったり、さらにはディフレクトしたボールが相手の下にこぼれたりとツイていない部分もあり、試合は0-4で終了。今季最多の4失点を喫し、2戦合計1-5で準決勝敗退となった。

 「けっこうガックリ来ています。心にポッカリ穴が空いた感じ」

 取材エリアにて、落胆した表情でそう語ったのは小泉。0-4というスコアで逆転での決勝進出を許し、また昨年と同じ舞台で同じ相手に負けたことも相まって、敗退のダメージはかなり大きいだろう。

 それでも、シーズンはまだ残っている。リカルド・ロドリゲス監督は「まずは残りのリーグ戦一試合一試合を戦って、試合から試合へ臨んでいくことが大事だと思います。(中略)そしてその先に向けて、クラブにとってACLのタイトルは非常に重要なものですので、そこに向けて準備していければと思います」と前を向いた。

 残りのリーグ戦に向けて、そして来年2月のACL決勝に向けて。この試合で見つかった課題を解決しつつ、歩みを進めていくしかない。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4