■主砲・小川の決勝弾で横浜FCが2位キープ
ホームのニッパツ三ツ沢球技場にヴァンフォーレ甲府を迎えた横浜FCは、ジリジリとした時間を過ごす。前半から好機を迎えたものの、甲府にもゴールに迫られた。
両チームともに得点を奪えずに引分けに終わった場合、3位の岡山との勝点差は「3」だ。得失点差では岡山に劣るため、3差では1勝で順位が入れ替わる可能性が高い。3試合連続で勝利を逃している横浜FCとしては、とにかく勝利がほしい一戦だ。
0対0のまま終盤に突入し、迎えた85分だった。右サイドからのクロスがゴール前を横切って左サイドへ流れ、武田英二郎がクロスを入れる。これはDFにブロックされるが、セカンドボールをFW長谷川竜也がゴール前へ入れる。CBの頭上を越え、GKも出られないピンポイントクロスに、小川航基が反応していた。
CBの背中のスペースでフリーになると、得意のヘディングでしっかりとボールをインパクトする。直後、横浜FCのファン・サポーターで埋まるスタンドに、爆発的な歓喜が駆け抜けていった。エースのシーズン21点目が決勝弾となり、横浜FCは1対0で逃げ切った。チームにとって4試合ぶりの勝利だった。
勝点3を手繰り寄せた立役者の小川は、「今日が分岐点になるのは分かっていた。全員がハードワークしてつかんだ勝点3だと思います」と切り出し、「まだまだ(シーズンの)ゴールは見えていなくて、この試合で横浜FCはひと皮剥けたと思うので、ここから全勝するつもりで戦いたいと思います」と続けた。
アルビレックス新潟、ベガルタ仙台と形成してきた3強の構図が崩れ、岡山が迫ってきたなかで挑んだ今節は、チームにとって重要な意味を持っていた。今シーズンのJ2リーグ全体を左右するものだったと言っていいだろう。
だからこそ、終盤の1点を守り切った勝利を、小川は「ひと皮剥けた」と表現したのだ。横浜FCは勝点を「71」とし、岡山との5差をキープしている。