■崩されたチームのテンポ

 しかも、FC東京戦ではゲームそのものも、なかなかリズムを取り戻しにくい展開となってしまった。

 まず、清水勇人主審が身に着けていたコミュニケーションツールの不具合によってキックオフの時間が5分も遅れたのだ。この間、すっかり準備を整えて集中した状態で選手たちはピッチ上で待ち続けるしかなかった。

 そして、開始12分に横浜FMがカウンターを発動。エウベルが長いドリブルで持ち上がって、左を並走する仲川輝人にパス。ペナルティエリアに走り込む仲川がファウルを受けて、清水主審はペナルティマークを指した。

 ところが、ここでVARが介入して、結局、判定はペナルティエリア外でのFKと変更になったのだ。

 しかも、プレーが再開するまでなんと7分近くという長い中断となった。横浜FMにとっては長い中断で待たされた挙句にチームにとってマイナスの判定変更となってしまったのだ。

 さらに、27分にも再びVARが介入。ゴール前に走り込んだレオ・セアラがFC東京のGKヤクブ・スウォビィクと接触したプレーのレビューだったが、結局、反則はなしと判定されて横浜にPKは与えられなかった。

 二度のVARの介入で、二度ともPKが与えられず、しかも、ゲームが中断……。

 横浜FMは、アンジェ・ポステコグルー監督の時代から、セットプレーをすぐに再開させるなど、ゲームを中断させることなくアップテンポに進めることを大事にしてきたチームだ。そんな横浜にとっては、ゲームが何度も中断する展開となったことによって、本来のリズムを取り戻すことが難しくなってしまった。

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