■50年の時を超えてつながる線

 そう、ウクライナに侵攻してきたロシア軍がヨーロッパ最大規模の原子力発電所を占拠し、その原発を巡って砲撃戦が行われているというあの都市です。

 ウクライナもロシアも、1986年のチェルノブイリ(ウクライナ語ではチョルノービリ)原発事故を経験しているのになんでそんな危険なことをするのでしょうか?

 こうして、僕の記憶の中で50年以上前の日本代表のソ連遠征と現在の国際情勢がつながったというわけです。

 どうやら1966年の遠征ではウクライナ方面で試合が行われていたようです。

 ロシア共和国選抜と対戦したピャチゴルスクは現在もロシア領内にある都市ですが、場所は北コーカサス、ジョージアのそばにありますからウクライナからも遠くありません。

 ソ連オリンピック代表と対戦したルガンスク。これも、最近のニュースを読んでいればお馴染みの都市名でしょう。ウクライナ語で「ルハンシク」。ウクライナ東部のいわゆる「ドンバス地域」にあるルハンスク州の州都で、現在はロシアに占領されています。

 1960年代に日本代表がソ連に遠征してドサ回りをした街が、最近になってニュースで取り上げられるようになってきたというわけです。

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