■8月25日/AFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝 全北現代モータース 2―2(PK戦:1―3) 浦和レッズ(埼スタ)
浦和レッズがACLファイナリストとなった。前半11分にFW松尾佑介のゴールで先制するも、後半10分に同点弾を許す。そのまま延長戦を戦い抜いたうえで、PK戦に突入した。
PKは、浦和レッズのサポーターが終結した北サイドスタンド側のゴールで行われた。緊張の一発勝負は、GK西川周作が相手の1人目、2人目を連続してセーブ。一方、浦和はDFアレクサンダー・ショルツらが決めていき、最後、MF江坂任がゴールネットを揺らして勝利を手にしたのだ。
江坂はPKを決めた瞬間にガッツポーズをすると、すぐに西川の元へと走っていった。ピッチ中央で肩を組んでいた選手、それから、ベンチ前で見守っていた選手たちも笑顔で走っていき、大きな塊となった。
浦和イレブンが喜びを実感する中で、一人だけ違う行動を取る選手がいた。日本代表DFの酒井宏樹だ。敗退が決まりピッチに座り込む全北現代の選手を立たせると、相手選手とハイタッチや肩を叩いて励ました。続いて相手ベンチ前に行くと、キャプテンマークを巻いたDFキム・ジンスに強くハグ。そのまま肩を組みながら会話し、最後は背中を叩いたのだ。
試合には当然ながら、勝者と敗者がいる。勝者となった酒井ももちろん喜びに満ちていたがろうが、それを押さえて、敗者となった相手選手を慮ったのだ。これまで日本代表として、海外リーグで多くの経験をしてきた選手としての大きさを感じさせる場面だった。