■浦和戦で実感した「国際基準」

 香港の傑志を4ー0で下した3日後の8月22日、BGは東地区準々決勝で浦和レッズと対戦した。VARに助けられながら0対0で持ちこたえていくが、32分と42分にゴールを割られてしまう。後半も65分と72分に失点し、0対4で敗れた。

「クラブ史上一番のビッグマッチだったと思います。そのビッグマッチで、惜しかったなではなくすっきり負けたことで、我々は気持ちよく前へ進んでいけるんじゃないかと思います」

 失点シーンを振り返ると、ゴールを決めた相手選手はフリーではない。マークはついているのにやられているのだ。手倉森が「気持ちよく」と話した意味がそこにある。

「それじゃやられるよ、と練習からいつも言っているんです。でも、チーム内の練習ではやられないから、選手たちも実感できない。外国人選手も、タイで長くプレーしていると『これぐらいでいいかな』という感じになってしまうところがある。

 今日の失点で、選手たちは僕が言っている意味が良く分かったでしょう。色々なことを教えてもらった浦和戦を財産にして、つねにインターナショナルのレベルを意識しながら戦っていこうと話しました」

 ACLで浦和と戦った経験は、手倉森が発してきた言葉に輪郭を与えただろう。「アジアの舞台で活躍する」との目標を実現するために、チームははっきりとした基準を得ることができたとも言える。

 手倉森に率いられたBGは、22―23シーズンにどんな戦いを見せていくか。8月31日のチョンブリ戦から、国内リーグでの戦いがスタートする。

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