■ドイツ国鉄で国内を往復
Hさんが買わせておいたチケットは、ブラジル戦が中心だった。組分け抽選会は、この年が明けてから1月に行われたのだが、ブラジルは開催国西ドイツとともに予選を免除され、早くから試合会場も決まっていたし、何しろ4年前の優勝国である。ペレはすでに代表から退いていたが、リベリーノを中心にジャイルジーニョなどスターも揃っていた。
日本からもっていったチケットは、6月13日の「ブラジル×ユーゴスラビア」(フランクフルト)、14日の「ザイール×スコットランド」(ドルトムント)、15日の「スウェーデン×ブルガリア」(デュッセルドルフ)、18日の「ブラジル×スコットランド」(フランクフルト)、19日の「オランダ×スウェーデン」(ドルトムント)、そして22日の「ザイール×ブラジル」(フランクフルト)の計6試合分だった。私は、先輩のYさんとほぼ行動をともにしながら、フランクフルトとルール工業地帯をドイツ国鉄で行ったり来たりしながら初めてのワールドカップを楽しんだ。