■アジアの底上げが日本の成長にもつながる
日本で集中開催中のACL東地区ノックアウトステージでは、8月18日のラウンド16で香港の傑志と激突した。20―21シーズンの香港王者との対戦を前に、手倉森は「力関係は互角だろう」と話していたが、4対0の快勝を飾る。東地区でベスト8入りするのは、3度目のACL出場で初めてのことだ。
「昨シーズンはベスト16で負けていたので、ひとつの壁を打ち破れたことにほっとしている。相手が傑志だったからと言う人がいるかもしれないが、グループステージでは我々の仲間のチェンライ・ユナイテッドを倒している。ヴィッセル神戸とも一進一退の攻防をしている。グループステージが終わってからの姿勢、意欲、意思、準備の違いで、こういう試合になったのだと思います」
BGを指揮する手倉森の胸では、タイサッカーの発展に貢献したいとの思いが育まれている。
「次のW杯からはアジア枠が増える。タイは出場しなければいけない立場で、タイ国民だけでなくタイリーグに関わる人たちがその気にならないと、W杯出場は果たせないと常々言っています。だからこそ、ACLというアジアの舞台で我々が勝ち、W杯に出場できる可能性を示す任務を担っていると思っています」
その先には、日本サッカーへの思いがある。
「日本が世界と戦うときに、アジアの底上げは大事。タイのサッカーが発展していくことは、日本の可能性を広げることにもつながると思う」