ACL東地区は準々決勝までが行われ、ベスト4が出そろった。日本からは浦和レッズが勝ち残っているが、ここまでの戦いぶりにはアジアサッカーの構図が浮かび上がってくる。また、頂点までの道のりも含めて、サッカージャーナリスト・後藤健生がアジアを考察する。
■Jリーグ勢が持つ強み
さて、Jリーグの2チームとKリーグの2チームがつぶし合いを演じた反対の山からは、現在の東南アジアを代表するジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)とBGパトゥム・ユナイテッドを連破した浦和レッズが勝ち抜きを決めて、8月25日の準決勝で全北現代モータースと対戦することとなった。
浦和は、ジョホールには5対0、パトゥム・ユナイテッドには4対0と圧勝だった。
試合後に、パトゥム・ユナイテッドの手倉森誠監督は「切り替えの速さがJリーグとの差。Jリーグ勢にはボールを奪った瞬間にダイレクトプレーで相手を脅かす強さがある」と語った。
攻撃から守備への切り替えによってボールを持った相手を囲んでボールを奪い返す。そして、ボールを奪った瞬間に相手陣深くにパスを送って守備をえぐる。
気候的な条件もあって、東南アジアではそうした試合展開の速さは望めない。つまり、浦和レッズと対戦した両チームにとっては、かつて経験したことのないようなプレー強度だったはずなのだ(日本のサッカーが本場ヨーロッパのチームと対戦した時にかつて痛感させられていたのと同じような感覚だったろう)。