■やはりつながっていた2大陸
そして、何の気なしに「ナイジェリアの景色がブラジルと似ている」という話をしたら、大使がその話題に乗ってきたのです。
というのも、佐々木大使はかつてリオデジャネイロ総領事としてブラジルに駐在していたのだそうで、大使自身もナイジェリアとブラジルの風景が似ているとずっと思っており、僕と同じように「大陸移動説」についても考えていたというわけで、しばらくはこの話題で盛り上がったというわけです。
ちなみに、かつてアフリカ大陸のナイジェリアのあたりはヨーロッパ人から「奴隷海岸」と呼ばれていました。ガーナのあたりが「黄金海岸」、コートジボワールが「象牙海岸」というように、各地で産出する輸出品の名前を地名にしていたわけです。それにしても「奴隷海岸」とはひどい名前を付けたものです。
実際、現在のナイジェリアからは多数の黒人奴隷が新大陸(南北アメリカ大陸)に連行されていき、ブラジルの農場でも大勢のアフリカ人奴隷が働かされていました。そして、そんな元奴隷の一部は解放されてから故郷であるナイジェリアに戻ってきたそうで、そんなブラジル帰りの人たちが暮らす「ラテンクォーター」といった一帯もあるそうだ。
だから、地形や地質だけでなく、そこに住む人たちにも共通性があります。そして、音楽に溢れたスタジアムの風景もどことなくブラジルに似ていました……。