後藤健生の「蹴球放浪記」第124回「ナイジェリアで大陸移動説を実感する」の巻(2)日本大使館にいた「目撃者」の画像
日本が3試合戦ったバウチは高原都市。ブラジルならベロオリゾンテか? 提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生は、世界各地の風景を目に焼きつけてきた。世界をまわっていると、ふと既視感にとらわれることもある。1999年のワールドユース取材中に頭に浮かんだのは、大西洋の向こう側、「サッカー王国」ブラジルとの類似点だった。

■ワールドユース開催中の激励会

 ナイジェリアでバスの車窓を見ながら、僕はずっとこの大陸移動説のことを考えていました。

 今だったら、持っているパソコンでさまざまな学説や地質学などについて調べたことでしょうが(何しろ、ナイジェリアでは自由に外出できないので、ホテルの部屋でヒマを持て余していました)、国際電話をかけることも難しい当時のナイジェリアではインターネットに繋げることなど不可能なことです。いや、一般の日本人がインターネットを使うことができるようになったのは、1990年代後半のことですから、日本にいてもそういったことを調べるのは難しかったでしょう。

 U-20日本代表イバダンで行われた準々決勝でメキシコを下して準決勝に進出。大西洋に面したナイジェリア最大の都市ラゴスに移動した日に、在ナイジェリア日本大使館主催の激励会が開かれました。報道陣も招待されたので、イコイ島にある大使公邸に向かいました。

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