■ここまでの2試合の活用法

 アメリカとしては、生き残るためには日本相手に勝点3を奪うしかない。しかも、得失点差を考えると、最低でも2ゴールは必要だ。

 もちろん、アメリカもパスをつないでビルドアップしてくるだろう。そうなれば、オランダ戦と同じように日本のプレスがはまる可能性は高い。

 だが、そこで(あるいは冒頭から)アメリカが日本の弱点を考えて、パワープレーをしかけてきたらどうなるのだろう。アメリカは、ガーナと違って前線の技術も高いのだ。日本がガーナ戦のような戦い方をしていたら、アメリカ相手に大敗を喫して2勝1敗で大会を去ることになりかねない。

 中2日の連戦の中で、相手に合わせて戦術的な調整する余裕はあまりないだろうから、やはり、今まで積み上げてきたものをそのまま発揮するしかないだろうが、そうした場合にどのように対処するかの確認作業をしっかりとしておきたいものだ。

 できれば、オランダ戦でのように前線からプレスをかける戦い方でゲームを支配すること。そして、相手がガーナのようなシンプルなボールを入れてきた場合には、そのボールの出所をいかにして抑えることができるか。それが、守備の課題。そして、シュートをゴールの枠内に打つこと……。

 そうやってさまざまなスタイルの相手と戦ながら勝ち進んでいくことによって海外勢を相手に試合をする感覚を研ぎ澄ませて、そして落ち着いて戦っていってもらいたいものだ。

 日本の女子サッカーの将来のためにも、4年前のU-20女子ワールドカップと同じようにしっかりと勝ち切って再び優勝トロフィーを掲げてもらいたいものである。

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