試金石となり得るグループ最終戦のアメリカ戦【U-20女子ワールドカップで見える日本代表「ヤングなでしこ」の強みと課題】(3)の画像
池田監督に率いられ、ヤングなでしこは高みを目指す 写真:MEXSPORT/アフロ

 U-20女子日本代表が、世界の舞台で戦っている。U-20女子ワールドカップ連覇を目指す「ヤングなでしこ」は、連勝でグループ突破に王手をかけている。ここまで見えた強み、そしてこれからの課題をサッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。

■ガーナ戦で苦しんだ理由

 優勝するには6試合を戦わなければならないこの大会。日本は、もう少し思い切ってメンバーをいじってくるかと思っていたのだが、実際にはGKを含めてオランダ戦から先発を4人入れ替えたにとどまった。

 しかし、オランダ戦とは違って、ガーナ戦では4-4-2を採用していた。

 もっとも、ガーナにチャンスを作られてしまったのはシステムのせいではない。

 たとえば、前半37分に右からのロングボールにアブドライがフリーで抜け出して思い切ってシュートを狙った場面。ガーナにとってこの試合で最大のチャンスだった。そして、アブドライは完全にフリーな状態でシュートを試みたのだが、ボールは日本のゴールポストをかすめただけだった。

 ガーナはフィジカル的に強くて無理がきくセンターバックのドゥアーとアチアーの2人が広い範囲をカバーして日本の攻撃を跳ね返し、シンプルなロングボールを蹴って、前線の選手たちのスピードを生かしてきたのだ。そして、日本はこのロングボールの出所を抑えることができず、前線で競り負けてしまったのだ。

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