■必死の戦いを挑んでくるアメリカ

 オランダ戦では、組織的な守備が十分に機能していたが、それはオランダがパスをつないでビルドアップしようという意思が強かったからだ。相手のパスのつなぎに対しては、戦術的にうまく追い込んで、そして最後は複数で囲い込んでパスコースを消してしまうことができていた日本。だが、パスをつながずにいきなりロングボールを蹴って1対1の勝負をしかけてきたガーナに対してほとんど対応ができていなかった。

 もちろん、そんなロングボールがつながってチャンスに結び付く回数は少なかったし、ガーナはフィニッシュの前の段階でパスが雑だったので、大きなピンチはさらに少なかった。だが、もっと技術力のある相手がこうしたロングボールによるパワープレーを仕掛けてきたら、果たしても乗り切ることは可能なのだろうか? つまり、そうしたシンプルな攻撃への対処が大きな課題となる。

 たとえば、8月17日の最終のアメリカ戦だ。

 オランダに敗れて1勝1敗となったアメリカ。日本はすでに勝点6を獲得しており、同時刻に行われるもう1つの試合ではオランダが2連敗のガーナと対戦。オランダが勝って勝点を6に伸ばすのはほぼ確実だ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3