■仙台はディフェンスの整備が急務の課題に
大宮の選手交代は、試合の流れに影響を及ぼした。仙台に傾いていた主導権が、どちらのものでもなくなる。
そのなかで、仙台は好機をつかむ。75分、加藤が抑えの効いた右足ミドルを放つが、GKにセーブされてしまった。
残り10分からは、大宮が5バックに変更してきた。仙台も87分、5枚目の交代カードでFW皆川佑介が出場する。相手ゴール前での圧力を強めていき、89分に遠藤が2点目を決める。しかし、それ以上スコアを動かすことはできなかった。
試合後の原崎監督は、「前半の3失点がすべて」と振り返った。失点の原因を問われると「ミスが起こっているから」と答え、わずか2分の連続失点については、「失点したあとにすぐ2失点目をしたところが、私たちの甘さが出たということだと思います」と話した。自滅してしまった、ということだろう。
これでシーズン8敗目となったが、負けた試合はすべて複数失点を許している。このところの試合を振り返っても、28節のV・ファーレン長崎戦、29節のレノファ山口FC戦で2失点し、勝点3を取れなかった。ディフェンスの整備は待ったなしだ。
3試合ぶりの出場となった遠藤は、「自分たちが優勝するためには連敗をしないことが大事です」と話す。34歳の経験者は0対3から1点差まで詰め寄ったことを評価し、「試合に出ている選手だけでなく、チーム全体で勝てるようにいい雰囲気のなかで練習していきたい」と前を向いた。
次節はザスパクサツ群馬戦だ。ホームで対戦した前回は、かつてコーチを務めた大槻毅監督にスカウティングされ、0対0で引分けている。連敗はもちろん引分けも許されない下位チームとの対戦で、仙台のリバウンドメンタリティが問われる。