■栃木SC撃破で新潟は暫定首位に浮上!

 1対0のまま迎えた51分、新潟がアクシデントに見舞われる。鈴木が負傷交代したのだ。代わって矢村健がピッチに立つ。

 勝負の分かれ目は、次の1点目をどちらが取るのか。新潟はボールをしっかりと保持し、選手交代をしながら得点機を生み出そうとするが、相手GKの好守もあって追加点を奪えない。

 アウェイのスタジアムに、新潟サポーターの歓声が轟いたのは86分だ。途中出場のMF松田詠太郎が右サイドを突き、内側のレーンへパスを出す。走り込んできたSB藤原奏哉が、右足のワンタッチシュートをゴール左へ決めたのだった。

 この試合は「声出し応援の運営検証試合」だった。3試合連続弾の右SBはゴール裏へ駆け寄り、ファン・サポーターの力強い声援を浴びた。

 2対0のまま終了の笛を聞いた新潟は、4試合ぶりの勝利をクリーンシートで達成した。今節の群馬戦が火曜日に延長された横浜FCを抜いて、暫定で首位に立っている。

 試合後の松橋力蔵監督は、「今日もアウェイにもかかわらず、あれだけ多くのサポーターに来ていただき、彼らの声援に押されて勝てたことを非常にうれしく思います」と話した。先制ゴールを決めた鈴木も、サポーターの後押しが支えになったと話している。

「すごいサポーターの力をもらって、アップのときに鳥肌が立って泣きそうになりましたし、アウェイにもかかわらずこれだけたくさんの方が来てくれて、勝利を届けることができて良かったと思います」

 次節はデンカビッグスワンへ戻る。ホームでここ3試合勝利をつかめていないなかで、アウェイでリーグ最多の勝点を稼ぐ5位のロアッソ熊本を迎える。負傷交代した鈴木の状態も気になる。この難しい一戦を乗り越えたとき、新潟の視界はさらに開けていく。

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