■1960年の伝説の一戦

 僕がサッカーに興味を持ち始めたころから海外のメディアなどで「世界サッカー史上最も面白かった試合」として紹介されていたのが、1960年5月18日にハンプデン・パークで行われた第5回欧州チャンピオンズカップの決勝戦でした。

 1955-56年シーズンに始まったチャンピオンズカップは第1回大会からレアル・マドリードが5連覇を飾りましたが、その最後の大会。アルフレド・ディ・ステファノ(アルゼンチン)やプスカシュ・フェレンツ(ハンガリー)など名手を揃えたスター軍団のマドリードが、西ドイツのアイントラハト・フランクフルトを7対3で破った試合です。

 この試合は、僕もVHSのビデオテープでフルゲームを見たことがありますが、ベテランの域に達していたディ・ステファノ(当時33歳)が中盤でゲームを組み立てると、スルスルと前線に上がっていって自らハットトリックを達成。とても優雅なプレーぶりで、どうして彼が世界最高のフットボーラーと言われているのかがよく分かりました。そして、プスカシュも“点取り屋”らしい嗅覚を発揮して4ゴールを決めます。たしかにスペクタキュラーな試合でした。観客は12万7621人。多くの観客を立見席に詰め込んでいた時代の数字ですが、当時のハンプデン・パークは欧州最大のスタジアムでした。

 そのハンプデン・パークで行われる決勝。しかも、レアル・マドリードが登場し、対戦相手も同じドイツのレヴァークーゼン。世界が注目する試合でした。

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