チャンピオンズリーグは、多くの選手が夢見る大舞台。蹴球放浪家・後藤健生も、もちろんその高みを目指す。時には、その「思い」が決勝への道を切り拓くこともあるのだ。
■どうしても見たかったCL決勝
前にも「蹴球放浪記」(第77回「イスタンブールの奇跡と集団スリ」の巻)に書きましたが、僕はUEFAチャンピオンズリーグ決勝の観戦には数回しか行ったことがありません。UEFA(欧州サッカー連盟)に取材申請を出すのが結構面倒くさくて、しかも申請が拒否されてしまうことも多いというのも理由の一つです。
まあ、仕方がありませんよね。欧州のクラブによる欧州の大会なのですから、極東の島国のフリーランスが優遇されないのも当たり前です。毎年のように取材に行っていれば受理されるのかもしれませんが……。
しかし、2002年5月15日にスコットランド・グラスゴーのハンプデン・パークで行われるレアル・マドリード対バイエル・レヴァークーゼンの決勝は、どうしても観戦したかったのです。
なぜなら、舞台がハンプデン・パークだったからです。