■指揮官が悔やんだ「時間の使い方」
この点について鬼木達監督も、「あの時間で何をするべきか。共有していたつもりですが……」としたうえで、「“時間の使い方”など、サッカーをずっと経験していれば分かるはずだと思う。それがゲームの中で全員で意思統一できなかった」と悔やむしかなかった。
一方で、選手の疲労が極度に高まっていたことも忘れてはならない。E―1選手権の中断明け以降、新型コロナの陽性者が続出したことで、休養がないままピッチに立ち続けている選手が多くいた。また、紅白戦ができないため強度を保つことができないなど、練習にも制限が出ていたこともありコンディションをいつものようには保てなかった選手もいたはずだ。
ボール保持を選択できなかったのは、単にイメージ共有できなかったことが原因なのか、それとも、フィジカル面で困難があったのかは、外から見るだけでは分からない面もある。
繰り返しになるが、この試合を川崎が優位に進めていただけに悔やまれる終盤の進め方だった。内容が伴わない中で勝利を重ねた前半から一転、天皇杯の敗退も含めて、内容で上回りながら結果を手にすることができない状態に陥りつつある。